T−2 《旅立つ前に…》 |
6月中旬、やっと具体的に旅の支度にとりかかった。まず、ビザの取得だ。これがないと簡単には余所の国へは入れない。海洋と接しないモンゴルに陸・海路で入国するには最低でも2つのビザが必要となる。最もポピュラーなのが中国経由でモンゴルを目指す方法である。他にも色々考えられるが、1つのビザの取得には時間も金もかかるので3つも4つも国を経由するのも経済事情の悪い私の懐には苦しいし、それほどに行程に時間を裂くこともできない。ロシアを経由するのは時間・金ともに非経済的なのでパス。となれば、中国経由のモンゴル入りが最も経済効率がよいのである。
事実、日本と中国を結ぶフェリーの運賃は往復で3万円代でもある。あと中国とモンゴルを結ぶ寝台国際列車運賃は2等で片道1万円以下。つまり日本からモンゴルまで陸・海路で行く場合の交通費は往復5万円ぐらいで済むのである。飛行機代の半額ほどなのだ。あと2国のビザの申請代金と中国国内での滞在費用をこれに加えても飛行機代よりもいくらかはお釣りがくる。ついでに中国を見れるのだから充分すぎるほどなのだ。
しかし最低でも、船上で2泊3日、列車内で1泊2日、片道に合計5日間をかけなくてはならない。加えて船や列車が毎日運航していないので、そんなにうまく乗り継げるはずもなく、片道1週間はウランバートルまでかかるとみていい。金と時間は引き替えなのである。ということで、とにかくモンゴルと中国ビザの申請である。取得に要する時間的なこともあって、モンゴルビザのみを日本国内で取得し、中国ビザは行きの船内で取得することにした。
次は船と列車の予約だ。これについては日本国内の旅行代理店に依頼する。旅行代理店にも様々な性格があって、中国旅行に強いらしい代理店をガイドブックの中から適当に探す。「ピースボートショップ・うぱ」という代理店を名前から選んだ。電話をかけると…受け付けの女性の声が誠実そうで印象が良い。出発予定日は7月16日、神戸発だ。
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本当はもっと早く日本を出発し中国観光を少しした後にモンゴル入りを果たしたかったのだが、予定が7月上旬に入ってしまった。それに最低でも20日間は日本を離れるとなると繰り上げて仕上げなくてはならない内容やらも出る。
7月11日に友人の結婚式2次会(幹事の一人として2次会を準備しなくてはならない)、15日にふんどし祭りに出る(大学の先生のお誘いで、断れない)、16日までに現在制作中の椅子を完成させる(8月中旬に作品展に出品する)…そして旅行準備も進める必要がある。まずまずのハードな日々が期待された。
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