人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.35 縁卓を囲んで(5) 2004. 6. 21

 さて、正式に座卓の制作を引き受けることになり、前にテキトーに考えたデザインは破棄。店長さんから伺った要望や、お店の雰囲気を考慮してもう一度はじめから考え直すことにした。
 再度材木屋に出向き、購入できそうな木を目の前にしながら現状の設備で加工し得るデザインを考える。自前の工作機械や作業場所など設備の貧弱さの問題は甚大で、座卓のデザインと制作過程を練れば練るほど制約の多さに気づかされる。それらを「創意工夫」って奴で乗り越えるのだが、あまり多くの時間を費やすわけにもいかない‥。(設備的な問題は例えて言うなら「メモ帳にタグ打ちだけで凝ったデザインのHPを完成させる」ような感じであろうか‥(解かりにくい?))
 長さ190p×幅90pという座卓の制作のほとんどが手持ちの小型電動工具と手刃物による作業になった。とりわけ多用したのが電動工具のトリマー(小型ルーター)だ。以前、結婚をする友人の披露宴で使う二人の紹介ビデオを制作することになり、後にその二人から「ビデオのお礼をしたい」ということで私がおねだりした物がそのトリマーだった(すばらしい頂き物です)。
 
 それから3週間以上が過ぎ、ようやく座卓が完成して納品となった。結局「トチ」と「マツ」を天板に使い拭き漆で仕上げたドッシリとした感じの卓になりました。お店に置いた座卓を見た感想は「あーもー、これ俺がほしい〜!」って感じで‥(別れが惜しくなるのでこれ以上言いません)。店長さんもとても気に入ってくれたようで、自分としても満足できるものができ、この話題もここで終わりそうなのですが‥、すぐに2卓目の制作に入ることになっております。もともと2卓の制作依頼でしたので‥。
 う〜、また絵を描く時間が‥。まぁ、しょうがない、これも何かの縁でしょうか?さーもうひと踏ん張り!今度はササッと仕上げよう!(とは言っても、次作も1から練り直しなので簡単にはいかないと思いますが‥。)
 
 2卓目は「クリ」の木を使い1つめよりもスッキリした感じ。これが納品できたら、仕事を回してくれた友人と「上々」で一杯やる予定です。幾つもの縁をはぐくみながら結実した座卓に乾杯!ってね。
 
 
上々(jyo-jyo): 
愛知県刈谷市築地町池南38 ヴィレッジエルエル内
0566-25-3570 18:00〜0:30 (無休) 和の隠れ家的雰囲気のレストランバー
 
縁卓を囲んで おしまい
 

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