石遊びの少女
石遊びの少女
 高北村に陽が傾くと、下校した子供たちがはしゃぐ声があたりにこだまする。仕事を終えた大人たちは夕食支度の合間を縫って麻雀をしたり、幼子のお守りに散歩する。老人たちは相変わらず腰掛けて何をするわけでもなく、過ぎ行く時間を噛み締めるように暖かい眼差しを村に向けていた。
 
 最もいとおしい時間が流れる土楼・承啓楼の夕暮れ。
 土楼の傍らで、彼女は真剣な眼差しを小石に向けていた。 2、3個の石を手にし、放り上げ、手の平や甲に投げ渡すシンプルな遊び。片手で行うお手玉といった感じで、各々が技を編み出し、友達とその華麗さを競っている。
 
 『石遊びの少女』  
<中国/永定/高北村> 34×46p 2002.7
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