中国の小・中学生は
赤いスカーフ
を首に巻く。田舎では学級委員や学業優秀・品行方正な者に与えられる証だが、都会ではほぼ全員が身に付けるトレードマークのようなものだった。
中学生で寮生活を始める者も多く、近くの中学校ではその子らの帰宅は2週間に1度と聞いた。
子どもたちが帰宅した村の週末はゆったりとしながらも、どこかにぎやかな雰囲気がしている。
姉はいつものようにまだ拙い弟の手に助けを貸した。その手に握られた物に注視するふたりの呼吸が、ぴたりと重なるように見えた一瞬、私の手に忘れていた感触が不意に甦るのだった。
『あたたかな姉の手に』
<中国/永定/高北村> 23×30p 2004.9
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