人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
輝く積木
No.112 紡いだ光の色は(6) 2008. 1.27

 多くのメーカーという作り手も「一生モノ」は望んでいない。買い換えが起こらないようでは売る側≒作る側が困るのだ。
 今日の環境問題はこのユーザーとメーカの思惑に深く根が入り込んでいるように思う。車、家電、家具、雑貨‥、速い消費サイクルが温室効果ガスの排出を著しく増大させることは明らかでありながら、そのサイクルにブレーキをかけてもらいたくないメーカーであり、多くの人がそのようなメーカー企業に従事して収入を得ているのである。
 “環境問題という不都合な真実を取り除いたクリーンな経済発展”‥我々はそれをまだ見出せていない。
 大量生産の家具と個人作家の家具、どちらが製造にかかるエネルギー(CO2排出)量が多いのか私には分からない。それらを算出することは相当に専門的かつ総合的な視野と、正確な科学的数値が必要だ。ただ一つだけ言えることは「廃棄せずに修理しながら長く使う。」家具においてはこれが最も基本的に温室効果ガスの排出を減らす方法だろう(車や家電も物によってはそうだ)。安くとも、長く使うことが重要だ。
 みんなが「一つのものを慈しんで使う」ことで家具作家の財布はいつまでも閑古鳥が鳴くかもしれないが、作り手である私個人としては喜びを持ってその状況を迎え入れるとしよう。どうか今ある家具を寿命が尽きる最期まで愛してほしい。
 もし、ご用命頂ければいい物を作るし、修理もするから、あなたの一生どころか次世代に残すぐらいのつもりで使って欲しい。飽きが来ないよう、将来的に使い勝手が悪くならないよう、損傷してもメンテナンスができるよう、今持てる力を尽くしてデザイン・設計・提案して作りあげる‥それが「未来に向けた想い」を込めた家具作り(仕事)だと思う。
 次に家具を買うときは大量生産品でも個人作家品でも、その商品を前に問いてみてほしい。「この家具に未来への想いはあるのか?」と。
 
 そして売れ残り。
 
 今回の展示会、ええ、そりゃ売れ残りましたとも。しかも沢山。もー嬉しいじゃないですか!(涙)
 目下の問題はそれらの保管場所。自分の部屋しか場所がなくて、使える空間がタダでさえ少ないのに商品家具を置いたら狭い狭い!売れる予定がないのに家具なんて幾つも作るもんじゃないですね‥トホホ。何か終えるたび、何か始めるたび、部屋の道具や資材を整理整頓するのにかなり時間を使ってます。(おかげで早々に年末大掃除は終わった)
 〔広い部屋とか倉庫が欲しいなぁ(家賃無しで)。〕
 ま、気を取り直してまた頑張りましょうかね。あーあ〜♪日本のどこかにー、奴らを待ってる人がいる〜♪買いたい人・興味ある人連絡ください!販売で取り扱ってくれるお店の方も是非一報を。何なら注文も受けますよ。(その前に絵も頑張ります)
 
 2008.3.1 試売始めてみました⇒ 彩図堂
 
紡いだ光の色は おしまい 
 

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