【客家料理】
 客家(はっか)には諸説あって「4世紀〜12世紀にかけて中国北部から南部へ移住してきた漢民族の人々」というのが現在通説になっている。独特の文化・言語をもった一集団である。
 福建省や広東省を中心に台湾や東南アジアにも広くその文化を保って暮らすこの客家と呼ばれる集団からは指導的な立場になる人も多く、過去から現在にかけて、台湾、中国、タイ、シンガポールなどで著名な政治家となる人物を輩出してきた。 参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 客家料理は北部から移民してきた集団を裏付けるように、濃厚で塩辛い味付けが特徴。‥ということらしいが、私が毎日現地でご馳走になった家庭料理はさっぱりとした味付けの素朴な料理だったように思う。豚や鴨肉と野菜の炒め物やスープで、特徴としてよく酸菜が加えてあることが多かった。
 酸菜は客家料理には欠かせない食材の一つで大芥菜という野菜の葉から作った酸っぱい漬物だ。 【大芥菜は芥菜(又は芥子菜:カラシナ)の変種で高菜(タカナ)とよく似た野菜。その葉は酸菜に、根元は搾菜(ザーサイ)の原材料になる。】 酸菜の独特な酸味は乳酸発酵によるのもで、さらに熟成させると梅菜と呼ばれるようになる。梅菜は乾燥させて梅干菜という乾燥保存食にもする。
 初めて酸菜(もしかしたら梅菜に近かったかもしれない)を食べたときはその酸味になじめないものがあったが、慣れてくるとお粥(具や味は無いもの)との相性は良く"昨夜の残りの豚ダシのスープと、お粥と酸菜”は土楼滞在中の記憶に残る朝食であった。
酸菜肉片湯
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