午後の休息
『午後の休息』  <中国/永定/高北村/承啓楼>
57×47p 2003.1
午後の休息
 外壁内側に沿って3〜4階建ての部屋が並んでいるのはどの土楼も同じ構造だったが、中央部の使われ方はそれぞれに違っていた。何も無い広場であったり、荷置き小屋があったり‥。
  承啓楼の場合は中央部にたくさんの家が建てられ、家畜小屋もあれば共同の井戸・洗濯場、廟(祖堂)‥と、まるで一つの街があるかのように建物があり軒と軒の間に路地がつながっているのだった。
 
 村民共同で行っている土木作業の合間、とある母が一人摂り遅れた昼食を口にする。近くには放し飼いの鶏が黙々と餌を探して歩き回り、土楼の中だけが取り残された世界のように静かな時間を湛えていた。
前へ 目次 次へ
◆ 一味も二味も異なる原画の趣き。水彩原画の透き通るような色彩を体感してください。⇒個展の案内へ
初項戻る
※ 原画とは色味が異なります。ご了承ください。