その日は朝から承啓楼の周りが騒がしく、村人の大勢がつるはしやシャベルを手に道を掘り起こしたり土楼前広場の土をならしたりしていた。
文化遺産登録へ向けた環境整備だ。
村の作業は、土木の力仕事だろうと男女の区別は無い。女達もつるはしを振るい、土砂を天秤棒に担ぐ。
みな賑やかに喋りながらも留まることなく一日働き、心地よい疲れをうちにそれぞれは作業を終えた。耕田まえの雑草が伸びきった田の間を縫う細い畝は家路へと続いている。
『家路をたどる女たち』
<中国/永定/高北村> 42×50p 2003.4
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