人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
ワンセグ視聴
No.141 わかり始めたコード(1) 2012. 4.17

 時間を経て、歳を重ねることでようやく理解できたものって沢山ある。世の中に散りばめられたコード(暗号)って言えるのかな、今まで何の疑問もなく目に映ったり耳に聞こえたりしていたものが、実は人の作為によって意図的に編集され、組み込まれたものなんだってことが、わかり始める。
 それは政治的社会的なメッセージを含んでいる事もあるし、作られた物語をより深く読み取って楽しむためのデコード(解読)術だったりするんだけどね。
 
 先日テレビ放映で「ルパン三世・カリオストロの城」がやっていた。このアニメーション作品を知っているだろうか?
 もはやかなりの知名度を持つルパン三世というキャラクタの長編映画であり、今回(2012・3/30)のテレビ放送が12回ともなる「カリオストロの城」は、にわかのアニメ好きでも知ってる有名長編アニメだ。ほぼ2年に一度の周期で放映される程で、モンスター級の人気・名作と言ってもいい。
 その内容はやや男性向けのストーリー展開ではあるが、主な男登場人物が見せるヒロイズムやアクションシーンは女性にとっても面白く、それでいて想定される対象年齢の幅も広いので、テレビ放送によって幾度と無く目にしてきた人も多いはずだ。(特に団塊Jr)
 私もその青年末期世代の一人で「ルパン三世」というテレビアニメには何時とも覚えがなく子供の頃から観てきており、この映画「カリオストロの城」も初見がはっきりとしない程の前にテレビで観ていた。今回のテレビ放送以前にいつ観たのか定かではないが、繰り返されるテレビ放送によって数回はしっかり観ていると思うので、「カリオストロの城」のストーリーは覚えてしまっている。そんなわけで大した新鮮味は無いのだが、何度観ても「面白い」と感じるのは事実なので、この度の放送をフト思い立って観てみたわけ。(携帯のワンセグ録画でしたけど)
 うむうむ。やはり面白い。ストーリー展開に淀みが無く、すこぶるテンポが良い。絵の構図(カメラアングル)では色々な演出手法を取り入れながら、どの場面も観易く仕上がっている(最近のアニメは凝ったカメラワークや画角で迫力は増したものの観難い作品も多々あるような‥)。脚本と監督を手がける宮崎駿氏(現スタジオジブリ)が、当時38歳の半年ほどの期間でこれを完成させているわけで、後世に残る名作がいつどんな状況で生まれるのかは予期できないものだな‥と思う。
 ワンセグ放送の小さい画面ながら、キャラクタや背景の絵などの細かい描写にも目を向けながら「カリオストロの城」を観終えると、自分が思っていたよりもストーリーを忘れていたことに気づく。
 
 〔はて?前に観たのはいつだったのやら。10年くらいは観てなかったからなぁ‥。〕
 
 いや、これは自分の記憶力低下(忘却)もあるが、しっかりと覚えていた場面やセリフがとても新鮮に感じることが多々あったというのが本当のところ。
 
わかり始めたコード(2)へつづく 
 

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