人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
キオスク端末
No.136 一年一度の思いを込めて(2) 2011. 1.24

 特に大きく邪魔になっているのが、最近作ったキオスク端末。
 キオスク端末とは、お店や公共施設、交通機関などで、不特定多数の人が情報を取り出したり、サービスの提供が受けられるように設置された端末≒コンピュータ装置のこと。身近な例としては、図書館の蔵書検索、美術・博物館の案内や収蔵品解説 コンビニのチケット販売機や写真プリント機、高速や道の駅にある道路情報や観光案内、銀行のATMもその類に入るし、会社の無人受付で使われていることもある。要するに、公共・公衆の場に置いてある、ディスプレイ画面があって、タッチパネルや数個のボタンで操作するようなパソコンみたいな、あの機械の総称が「キオスク端末」ってことだ。
 ご存知のように様に、今やキオスク端末はかなりありふれた存在だ。外出すれば大抵どこかで目にしているはずで、世界中で多くの仕事を担っている(しかも低賃金≒ローコストで!)、現代社会になくてはならない存在だろう。
 一見すると、キオスク端末は、発券やカード読み取り・お金出し入れなど特殊な機能、限定的な操作ボタンや情報、デザインされた筐体(外観)‥などの特徴から、何かそれ専用の特別なコンピューター機器のように思えるかもしれないが、実際の内部は多くはありふれたパソコンだったりもする。しかも内部ではWindowsが動いていることも珍しくなく、海外の銀行ATMではOSにWindowsが採用されているものも多いようだ。
 よって、1台のパソコンを立って観れる程度の台と箱に入れ、Windowsなどで流したい情報を繰り返し表示するようにし、それを公共の場に置けば、それで立派なキオスク端末のできあがりなのだ。キオスク端末の自作など、実に簡易!‥と言いたいところだが、これが一筋縄では行かなかった。
 いや、まぁ、キオスク端末の制作に超高等な知識や技術は確かに必要としないのだが、調べたり、考えたり、テストしたり、直したり‥と思いのほか時間のかかる仕事だった。
 
 大体だねぇ、まずパソコンとモニタが無い。新規購入なんていうお金(予算)もない。始まりはそこからなんだもん。
 家には小さな画面の使っていない古いノートPCがあったが、今回私が作りたいキオスク端末には完全な役不足。それから他にモニタの無いデスクトップPC本体が1つ余っていたが〔どうしたものか‥この為にモニタ買うのか?うーん‥〕と悩んでいた折に、友人から調子が悪く不要となったPCがあるという話を聞き、その製品型番から性能を調べて2つ返事で頂くことにした。
 譲り受けたPCは、キオスク端末の用途としては申し分ない性能と画面の大きさである。事前に聞いていた不具合では、電源投入後しばらく経つと止まってしまうとのことだ。友人はそんな不良PCに愛想が尽きたらしい。そりゃそうだ。さすがにそんな状態ではキオスク端末としても普通のパソコンとして使うことさえままならないので、次に取り組むはこのPCの修理だった。
 〔まぁ、調子悪いPCって言ってもHDDかメモリ交換して、OSを綺麗にすれば大抵直るだろう。〕‥と軽く高を括っていた。HDDやメモリのエラーをチェック、問題なし。OSのエラーは出てないかチェック、問題なし。では、別のHDDやメモリと入れ替えて試してみるが、それで症状は治らない。そうこういじっていると、やがて電源が10秒程度で切れるようになる。OS起動まで行かない。かと言えば今度は数十分正常に動く‥。うーん。
 ここらへんでようやく、厄介な症状を抱えているらしいことに気づき始めた。
 
一年一度の思いを込めて(3)へつづく 
 

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