人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
ガラス小棚
No.109 紡いだ光の色は(3) 2007.11.22

 実はこの展示会は寄せ集めメンバーだ。
 
 ギャラリー側の都合で、この期間で展示をしてくれる人を探していたことから話が始まり、作家と関係者を伝って偶然私の元へ話が舞い込んだといのが実際の経緯ということになる。
 ギャラリー依頼での展示ということで「棚からぼた餅」を思ってみたものの、すでに決まっている3人とは分野も繋がりも性別もアウェー(外地)。「藪から棒」な話しだったのでモチベーション(やる気)も持ち合わせているわけでは無い。他にも揃っているコンディション(条件)を冷静に考えてみれば「渡りに船」という気持ちにはならなかった。
 まとまりがないグループ展を開くのは気が進まない。殆ど1から作り上げるものばかりで時間も制作費用もかかってくる。自分の知名度や作れるもの等を考えると、かけた費用の回収は難しい。今、他にやるべきことがあるのでは?‥そういうわけで一端断るも、話を持ってきた友人に説得されて結局考え直したのは前述の通り。
 
 メンバーとは作品搬入・設置の日まで、顔を合わせるどころか電話で話すこともなかった。
 
 仲が悪かったとかではない。元々交流のあったメンバーではないし、互いの空き時間の違いや、暮らす場所が離れていたせいもあって、展示に向けての話し合い等は3ヶ月の間全てメールやインターネット掲示板を介して行なわれたのだ。
 直接会って議題を話し合うことも当初の予定にあったが、お金もかかるし、一度の話し合いで全てが済む事ではなかったので、専用の掲示板を私が用意して運用することになった。
 伝言ゲームになる電話や1対1メールと違って上手く機能していたと私は思っているが、インターネットとパソコンが自宅にあっても、PCに触れて日々掲示板チェック(HP閲覧)が馴染めない人にとっては、やや苦痛だったみたいだ。
 
紡いだ光の色は(4)へつづく 
 

旅人彩図 『人生紀行』 前へ 目次 次へ