人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
錫積木
No.108 紡いだ光の色は(2) 2007.10.30

 終わってみれば、自分としては色々と反省と改善すべき点は多い今回のグループ作品展だったわけだが、それだけ収穫も多かったというポジティブな捉え方をしている。収穫という面で、私が得る恩恵は他の人より多かったかもしれない。
 なんせ木工・工芸などの世界では全く無名とも言える自分が、知人通じとは言えギャラリー企画としてグループ展示できたのだ。
 場所代は無料、宣伝案内状(DM)の印刷費用は折半、メンバー他3名のネームバリューで来てくれたお客さんに見てもらえたわけで、その恩恵で得られたもの(吸収したもの)の割合は新参者である私が相対的に多かったに違いない。
 それから、自ら課題を持って臨んだことも大きい。後の自分の展示や活動に向けた課題点を探るために、今回のグループ展へ盛り込んだ実験的項目は様々な改善点を具体的に示してくれた。メンバー内からすれば、私一人だけ勘違いともいえる内容に入魂して色々と検証に当たっていたので、これも相対的に得たものは私が多いのだ。
 
 何事も主体を持って臨めば、より多くのことを学ぶ者になる。
 事の始まりは他者からの誘いではあったが、自らの課題として展示を成功させようと奮闘したことが、3ヶ月(制作期間)を有意義なものにし今後の糧にもできたのは、“自分”のおかげだ。自分を褒めてやろう。
 〔もっと自信を持っていいゾ、俺。〕
 ハハハ‥、まぁ、自画自賛してるのは、実はこの展示会が終わって結構凹んでたから。
 「課題を持って臨み、成果について反省をする。」という表向きには模範的でカッコイイ姿勢なのだが、「努力の分だけ自分の非力さを味わうハメになった。」という裏半分を含む内容になっている弱い自分。先の見えぬまま結果の伴わぬ労力に対し反省をすれば「そんなこと辞め辞め!」なんて考えになるのは極当たり前なこと。
 “非力”だなんて思うことはないのだが、注いだエネルギーが大きい程、後遺症として燃え尽き感が強く出るというものだ。それに課題も反省も一人で強く思っていることで、誰かに甘えたり慰めてもらえないことが気持ち(エネルギー)のやり場を失って悪い方向へ気持ちを落とし込む。
 〔こんな程度のことで、気持ちが足踏み起こす様じゃ、いつまでたっても幾らも前には進めないぞ!次に活かしてこそ反省と収穫!〕‥と叱咤するんだけど(自分で自分に)‥ね。
 
 さて、今の自分のことはこれくらいにして、少しグループ展の裏話をしよう。
 
紡いだ光の色は(3)へつづく 
 

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