人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
表彰式
No.46 茨城へは夜を越えて(3) 2004.12.11

 車の運転技術に関して私自身は特に巧いとは思っていないが、危険な操作はしない方だし渋滞などでもイライラせずに走行できる。毎日長距離運転している生活を送っていないのでそう思えるだけかもしれないが、わりと運転に楽しみを見出せる方だから〔こういう職業も合っているのかもしれない‥。〕と時々思うことさえある。遠くの知らない場所の見慣れぬ景色を眼にしているときの旅情感が私にとっては楽しいのだ。
 今回は夜間走行になることで窓からの景色を楽しめないが、途中立ち寄るであろう深夜のコンビニにもどういうわけか旅情感を憶えてワクワクするから、一人でもきっと楽しい行程になるはずだ。
 20時を少し過ぎる頃、静岡県に入った。静岡県の国道1号線は有料のバイパスが何本かあり、使用するとかなり時間が稼げるが、どのバイパスも22時以降にならないと無料で使用できないので浜名と磐田のバイパスは使わずに進む(22〜6時まで無料)。
 23:37 沼津にて国道246号線へ。この時点で4時間41分経過、走行距離204km。
 2:11 東京都内へ進入。都内は狙い通り深夜の時間帯で交通量は少ないらしく、車の流れは順調。さすがにしばらく前から横浜や都内のナンバーばかりだが、極稀に「尾張小牧」「浜松」など地元に近いナンバーのトラックがいて、一緒に都心方向へ向かい並走していると元気付けられる。「夜明けはまだまだ!さぁ、みんなガンバローぜー!」
 さて、いよいよ山場の皇居に近づいてきた。中学校の修学旅行で観光バスに乗ってここを通った覚えがあるが、まさか自分で車を運転してここを通過することになろうとは想像してもいなかった。用意しておいた都心の詳細地図を信号停止ごとに確認しながら頭にたたき込んで皇居前まで来た。一つ一つの交差点をよく確認しながら的確に右左折して皇居前〜東京駅前を通過、無事に国道6号線へ進入。周りにはスピードの速い都内のタクシーが多くまだまだ油断はできないが、ひとまず難所を越えた。思わず車内で一人ガッツポーズだ。
 3:53 利根川を越えて茨城県へ。この時点で8時間57分経過、走行距離368km。
 5:38 朝日が昇る頃、とうとう茨城県水戸市の県庁舎へ到着できた。出発してから10時間42分、走行距離437km。往路での休憩時間は全部合わせても30分もない強行軍だったためか、予想していた時間よりも相当速く到着できた。往路の平均時速は40km/hでした。
 
 そして、いばらきデジタルコンテンツ・ソフトウェア大賞の授賞式が滞りなく終了。やっぱり人前では緊張して上手く喋れなかったから反省だ〜。
 その日は「地域伝統芸能全国フェスティバル」や「県民まつり」という大きなイベントが茨城県庁舎周囲で開催されて多くの人出があった。せっかくの茨城イベントではあったが、私はぶらりと適当に見渡す程度で帰りの行程に備え車中で仮眠を摂るのだった。
 
 復路も同じコースを逆に辿り一直線へ愛知県へ向かう。「遊び関係一切なし」ではあるが、それでよい。低予算を遂行することが最優先だったわけだし、夜中でも東京や茨城を走行できて旅気分も味わえた。(ちなみに夕食は松屋の牛丼でした。)
 17:11 茨城県庁舎を出発。途中若干の渋滞にはまりながらも、静岡県内の全バイパスを深夜無料で通行して岡崎に戻ってきたのが翌朝4:50となった。復路は11時間39分(休憩・食事・渋滞など含む)、走行距離443km、平均時速は38km/h。
 全行程をトータルすると、880kmを22時間21分で移動。若干しか摂ってない休憩時間を抜くと22時間未満だ。平均時速はほぼ40km/hで、ガソリンの総給油量は約44L(レギュラー)。燃費は20km/L位になった(週末の夜間走行の参考としてください)。今回の往復に支払ったガソリン代は4929円。下道での距離は高速道路の約106%で思っていたほど差は少なかった。
 〔岡崎市から東京都心まで夜の下道ではだいたい片道7時間・ガソリン17Lぐらい‥。〕また一つ危険な味を知ってしまったのでした(?)。
 
茨城へは夜を越えて(4)へつづく
 

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