人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
都内の夜間走行
No.45 茨城へは夜を越えて(2) 2004.12. 4

 関東方面に行く用事や茨城観光を目的に見出そうとあれこれ考えてみるが興味の湧く内容などもさっぱり無くて困ってしまった。
 〔どうしてこんなに悩んだりしなければならないのか?それほど価値のある賞か?〕と半分腹を立てながらも、ふと何かの拍子に〔茨城まで下道で行ったらどれくらい時間とお金が掛かるんだろうか?〕と思いついた。
 早速インターネットで検索してみれば、野田隆司さんの開設する「駅弁レストラン」で車による下道の旅日記が見つかった。
 下道走行のみで本州最北端を目指し広島を出発した野田さんは名古屋を10:30に通過して茨城県の県境利根川を越えたあたりで24:30と記述にある。
 名古屋→利根川間で14時間だ。いつもの車では下道を2時間走行するとおよそ4Lぐらいのガソリン消費がある感じだから、14時間の走行では28Lの予想。ガソリン価格約114円(2004/10中旬)からすると往復6,400円(片道14時間)位となり、調べた中では最も安い格安バスの半額程度の値段になりそうだが‥、馬鹿げてる。こんな慣れない事して、もし交通事故に遭っても茨城県は何の保障もしてくれやしない。
 〔茨城遠征はやめやめ!〕そう思い込んで2・3日が過ぎた。
そろそろメールで授賞式の出欠を送信しなくてはいけない日にちだが、迷っていたどころか、行ってみようという気になっていた。
 下道ではどれくれい時間がかかり、ガソリン代はどれくらいで済むのか、そしてどれくらい大変なのか‥、それらをこの身で確かめたくなっていたのだ。〔この経験は何かの役に立ちそうな感じがする‥。〕400km以上の走行における様々な負担が判れば、今後の私の価値観も変わるし見える世界も変わるというものだ。一度、自分のためにやってみる価値はある。それにせっかく授賞式まで開いて賞金をくれるというのに、お金だけ銀行に振り込んでもらってメールで”ありがとさん”では主催の方々に悪いではないか。
 そんな気持ちに後押しされてメールを出した。「授賞式に出席させていただきます。」‥送信!〔よし、これであれこれ悩むことはおしまいだ。〕出発に向けてコンディションを整えつつ、気持ちと英気を養いながら一週間が過ぎた。
 
 10月22日(金)18:56 いざ茨城県水戸市へ!とうとう私は愛知県岡崎市から車で出発してしまった。予想到着時刻は15時間後の10:00位。渋滞などの可能性を考え余裕をもっての出発だ。
 使用する車は「三菱 MINICA GD−H42V」 排気量 660cc / 車体重量 690kg / 燃費:メーカー公称値 22.5km、国土交通省審査値 20.0km / 現在の走行距離:27593km / 使用するガソリン:レギュラー / 乗員1名(運転手)
 今回も毎度おなじみ(?)の軽自動車一人ドライブだ。せっかく茨城まで行くのだから誰か誘おうかとも考えたが、過酷な行程になりそうだし、観光抜きだし、余計なお金と気を使わないで済むように一人になってしまった(←これも毎度のことか?)。
 ガソリンを満タンにしてから国道1号線に出た。茨城県水戸市までのルートは、このまま1号線を進み、静岡県沼津市で国道246号線へ。そして御殿場を越えて東京都内で国道6号線へ乗り入れ茨城県水戸市まで行く。距離はあるものの、かなり簡単なルートだ。カーナビは搭載してないので案内看板と地図だよりに進むことになるが、東京都内での国道246〜6号線への乗り換えが唯一にして最大の難所になるだろう。私自身、今まで東京で車を運転したことは無いし、ルート予定では都心ど真ん中を通過することには一抹の不安を感じている。
 
茨城へは夜を越えて(3)へつづく
 

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