人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.22 自信と優越感と 2004. 1. 20

 当たり前かもしれないが、ときどき本屋に行く。ふつうの町の書店だ。だけど、その帰りはちょっと落ち込んでいることが多い。
 本屋ではおおむね圧倒される。一冊一冊の本がもつ情熱や、内容に取り上げられた人々の魅力、集合する専門性、拡がる流通と経済‥、それらを備えてここに陳列された無数の本を前にしていると、なんと自分がちっぽけで薄っぺらで、取るに足らない人間かと思い知らされる‥、というか勝手に自分の中の劣等感が暴れ出してしまうのだ。世間に認められ勝ち抜いたたくさんの人(本)を前にして「自信を持つ」というのは難しい。「優越感」と「自信をもつ」こと(または「劣等感」と「自信をなくす」こと)は全く異なる感情だと理解しながらも、いつもそう簡単に割り切れていない自分に気が付いて、少し考えてみた。
 自信に結びつく成果というのは、1.直接的に相手に勝つこと、2.他人から頼られること・認められること、3.とにかく自分を信じること、が主なところだろうか。
 1.の場合は単純明快で勝者の優越感が自信になっているパターン。2.の場合は敗者は存在しないが、頼られる(認められる)自分とそうでない他人との比較から生じる優越感は少なからず存在している。3.は誰に勝つことも、誰からも認められないが‥自分だけは信じているというパターンでここに優越感はなく純粋な自信とも言える。
 1.の自信は浅はかでもろいが、勝つことはやはり偉大なことで簡単なことではない。3.の自信は素晴らしくて磐石だが、それだけでは傲慢でひとりよがりというもの。2.の自信がおそらく多くの人が最も経験していることだろうが、自分の中の全ての自信の糧がそれだけでしか構成されていない人はまずいないだろう。
 今の私の自信総数を10として上記パターンの「1./2./3.」の順で振り分けてみると「1/6/3」ぐらいかなぁ‥。自分の目標はバランスよく「3/3/3」で、今よりもっと「勝ち」を増やしたいと思うのです。そのためには勝負しなくてはいけません。負けることも覚悟しなくてはいけません!(‥やっぱりパターン1.の自信は偉大だ。)
 なんだか、がんばる気持ちが湧いてきました。さぁて、まずは腹ごしらえ!今日は食べるぞー、おー!
 みなさんの自信バランスはどうですか?
 
 

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