人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.20 あけました 2004. 1. 1

 2004年の年明けを迎えた。今年の12月31日から1月1日へ日付が変わるあたりの時間は、特に何をしているというわけでもなく一人で過ごした。過去を振り返れば、その時間帯は友人との飲み会であったり、近所の神社へ初詣の最中だったり、何かのイベント会場であったりもした。
 年越しの瞬間の場所や状況はその年毎に異なっても、心で思っていることはここ十年以上は大体同じだったように思う。
 
          「みんなどーしてるかなぁ‥」
 
 そう思って、一人一人の顔が浮かんでは消える。
 思い出す顔は、そのときの友人やお世話になった人、過去の同級生や同僚、ほとんど話したこと無い人の顔も浮かぶ。それから、特定の個人ではなく知りもしない町の人々のことを勝手に想像し、日本の人々一人一人のその瞬間を思う。
 そして、過去に旅した外国の土地で会ったり見たりした人のこと「あー日本と中国は2時間時差があるんだよなぁ‥」とか思い、行ったこともない世界の国々に暮らす人のことをかなり当てずっぽうに推測してみる「みんなどーしてるかなぁ‥」と‥。
 なぜか一年のうちでこの年越しを迎えるときはこんなことを思わずにいられない。この心の動きが私の中の年越しらしさを一層盛り上げてくれるのだと思う。 そして、適当に一通り地球上の人々〜知り合い一人一人のことに思いを巡らすと、最後に自分に戻ってきて「俺は今‥」ということになる。
 今の自分は「ボチボチやっています。」というひどくつまらない言い方ぐらいのことしか報告できないのが悔しくて、今年の年越しはちょっと惨めな気分になった(毎年そんなことが多い)。
 
       2004年はきっといい年にするぞ!と再三の決意をする元旦の朝、快晴です。
 
 
 

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