人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.17 私をどぶろく祭りに連れてって(7) 2003.12. 3

 少し慣れてくると口当たりが良くなって、アルコールが体内を駆け巡るのを実感。聞けばアルコール度数は19〜20度あるらしいので、まずまずの強さのお酒だ。周りの人を見れば既に顔を真っ赤にさせている人もいる。
 ここ飯島八幡神社のどぶろくは1月下旬から10月中旬まで9ヶ月間かけて仕込まれ、今年のその量は3800リットル。ざっと今だけ見渡しても境内には数百〜千人以上、とにかく把握できない程の人出がある。(2日間の延べ参拝者は1万4千人とのことです。)
  ちなみに岡崎のどぶろくは仕込み期間3週間でその量25リットル、人の出は今年の場合百人位か?
 境内一面にひかれたむしろの上には多くの人が座り込んで、持参したつまみや屋台の焼き串などを片手にワイワイとどぶろくを飲んでいる。会場の舞台では地元の方(?)の出し物も始まり、みんなアルコールも回りだしてそこはかとなく楽しそうだ。
 次々と氏子の方がどぶろくを給仕して4時過ぎには本日のどぶろくが底をついた。これから民謡や郷土芸能の奉納が行われて祭り自体はまだまだ続くようだが、多くの人はどぶろくが無くなったら帰ってゆくようだ。
 我々も日帰りの旅なので、わずかな滞在時間で白川村に名残惜しくもここで帰路に着くこととなった。何杯もどぶろくを飲んだので、立ち上がると足元にアルコールが効いているのを感じる。帰り客の中には肩を貸してもらってようやく立ちながら歩くおばさんもいれば、ゴロンと横になってしまい警備の人に起こされているおじさんもいる。私は十分立って歩けるが、車を運転すれば十二分に酒気帯び以上の完全飲酒運転だ。
 我々メンバー中の一人はアルコールが飲めない体質なので、今日どぶろくを一杯も口にしていないその友人に帰りの運転を任せるのであった。(本当に本当に、ありがとう。この方無しではこの計画は成り立ちませんでした。)
 そして途中に温泉を立ち寄りながら、無事9時には集合地の愛知県小牧市に戻って来れた。朝からの12時間は本当に楽しい旅の一日で、車内でもたくさんの話題に花が咲き、またいつかどこかに行く約束をして一日を締めくくるのでした。みんな楽しいひと時をありがとう。
 
私をどぶろく祭りに連れてって(8)へつづく
 

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