人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.16 私をどぶろく祭りに連れてって(6) 2003.11. 27

 岡崎市のどぶろく祭りから3日後の10月18日(土)、今度は友人3人と共に岐阜県白川村のどぶろく祭りを体験した。白川村は世界遺産の合掌集落で有名な土地で、気候の良いこの10月は休日ともなれば多くの人が訪れる一大観光地だ。
 朝9時から愛知県小牧市を車で出発した4名の一行は東海北陸自動車道で北上し、途中渋滞に巻き込まれながらも午後1時過ぎには白川村へ到着できた。あたりの山の木々は紅葉に色ずくこの時期、天気は快晴ともなれば人の出足も多い。駐車場待ちの車列を並び終えて、まずは白川の合掌集落で昼食。「飛騨牛の味噌焼き定食」を美味しく頂き、足早に合掌村を観光した後に、どぶろく祭りが行われる飯島八幡神社に向かった。
 白川村ではこの季節に白川八幡宮・鳩谷白山神社・飯島八幡神社と主に3つの神社でどぶろく祭りが開催される。(他にも平瀬八幡神社・木谷白山神社で開催と資料には記載されているが詳細は知られておらず、有名なのは上記の3箇所)白川村のどぶろく祭りに訪れる人々は県外からも多く、規模・知名度とも岡崎市蔵欠町のそれとは桁違いだ。
 我々が飯島八幡神社に着いた時には既に午後3時を過ぎていた。近くに車を駐車して徒歩で神社に向かう途中、にわかに境内のほうが騒がしくなる。どうやらどぶろくが振舞われ始めたようだ。興奮がこちらにも伝わるように、ついつい足が早くなる。境内にたどり着くと会場は多くの人の熱気と興奮で、そこは何か異様な雰囲気に包まれていた。熱気と興奮とは言っても、要は酒好きな大人の野外宴会みたいなもので、みんな力抜けしたような酔った笑顔の集団だ。
 人がごった返す境内入ってすぐの所でさかずきを一つ400円で購入(これが神社への奉納ということになる)。それを持ち境内を徘徊するかっぽうぎ姿の女性に、どぶろくを注いでもらった。見た目の色は白く岡崎のそれと同じようだが、こちらの方が若干粒状感がある。どろりとした感じのどぶろくを一口‥、う〜ん酸っぱい!味は3日前に味わった岡崎のどぶろくよりも甘味・酸味・辛味共に強いようだ。そして、一つのさかずきをみんな(メンバー1名を除く)で使い、どぶろくを回し飲みして酔っ払い集団の一員になるのでした。白川村のどぶろくにようやく辿り着けました!万歳!
 
私をどぶろく祭りに連れてって(7)へつづく
 

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